やっぱ適当がいちばんですねぇ…
Burn After Reading
プルーストの「失われた時を求めて」7編、全13巻を夏の終わりに読了し、長編を読むことに耐性がついたのか、以降、読みたかったけれどなにか気がそがれて読めなかった作品、途中で放りだしてしまった作品など、海外近代文学の長編、中編を最後まで読み通す習慣が身につきました。「失われた時を求めて」を読んだことの最大の効能はそこにあったのかもしれません。もちろん、原書で読むような教養はありませんし、文学を専門に学んだ経験も持ちあわせていないので、目についたものをたんに乱読しているというに過ぎないわけですが。

秋からこれまで読んでみたなかでもっとも好きになったのはフローベールの「感情教育」と「ボヴァリー夫人」、それからフォークナーの「響きと怒り」です。それとナボコフの「ロリータ」、ヴァージニア・ウルフの「灯台へ」も。「感情教育」は野心を持ちながらも結局、何ものにもなれなかった青年の話し。俗っぽい恋愛の観念に最後には焼き尽くされてしまう「ボヴァリー夫人」、救いのない純粋な哀しみで満たされているような「響きと怒り」、最愛のビッチにあなたなんか大嫌いと言われ続ける「ロリータ」、打ち解けた人たちと一緒にいるはずなのに、なぜか渦の外にはじきだされている感情がつきまとう「灯台へ」、どれも鬱勃とした話しには違いないのですが、どれも素晴らしいというほかありません。

たぶん、好きになるものにはロックを感じるからかもしれません。音楽のロックです。世の中には不誠実なのに誠実を装うものが溢れていて、唯一、純度の高いロックだけは不真面目かついい加減であるにもかかわらず、どこまでも徹底して誠実を貫くという、実人生にあってはほとんど不可能なことがつねに表明されている。うえにあげた作品がそういう話しだというのではなくて、作品をつくるうえでのアプローチの仕方にロックと同じものを感じるわけです。

いうまでもなく文学作品は人生の問題には答えてくれません。人生の問題に取組むなら、損しない株式投資だとか、図解でスッキリ得する税金対策とか、そういうものを読めばいいわけです。文学作品にあるのは、いままでに知らなかった情感や光景に出会って、震えるほど興奮すること、戦慄をおぼえること、それしかありません。以前に書いたことの繰り返しですが、それは風だとか波だとかに向きあっているときの気持ちとよく似ているような気がします。

いい忘れましたが、「失われた時を求めて」の読後感はほかにないものでした。視界がいっきに広がったような、爽やかな空気がすーっと流れてきたような、そんな感じです。抽象的ですいません。光文社文庫から出て間もないナボコフの「絶望」をおととい読み終わったばかりなので、次になにを読もうか思案中(ちなみに「絶望」は、床がぐーっと落ちていきそうな話しです)ディケンズの「荒涼館」か、トルストイの「戦争と平和」か、来春までには読めているといいなと思っています。読みかけの本、しかも長い長い本があるっていうのはなかなかいいものです。それから蛇足ですが、現代のある種の小説とか、これは映画もそうですが、あまり好きになれないのは、結局はいつか見た場所にしか連れていってくれないからですね。しかし、めっきり寒くなりました。調子にのって1日に2度もブログを更新してしまいました。長くなってしまったので、このへんで切りあげます。

「なんかさあ、唐突じゃねえかな、文学のことなんてさ、それにいきなり、です、ます調だし」
「いや、調子づいてるときにちょっと書きたかったから」
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Comment








私は逆に冬眠しそうになっていました(^_^;)
またお邪魔しまーす。
from. shirori | 2013/12/11 14:43 |
14巻が7年後…って本当ですか⁈
あて7年の猶予があると思い安心しました。笑
from. アフロ | 2013/12/11 19:37 |
shiroriちゃん
ハハハ、私も3ヵ月ぶりに冬眠というか休眠から醒めました。
で、はりきって連続更新しましたけど、また冬眠したりしてw

私もshiroriちゃんのブログに遊びにいきま〜す♪

アフロくん
14巻が7年後というのは岩波文庫の「失われた時を求めて」
のことかと思います。間違っていたらごめんなさい。

現状、文庫で全巻完結しているのは集英社文庫の13巻で、
私もこれで読みました。

岩波文庫の「失われて〜」は7年かけて全巻翻訳予定らしく、
いまはたしか6巻まででています。
14巻になるのは、たぶん第6編の「逃げ去る女」を
2巻にわけるからなのかもしれません。よくわかりませんが。

集英社文庫より岩波文庫のほうが図版や解説が充実していて、
はるかに読みやすくなっています。私も1巻から再読中です。

あと光文社文庫からも刊行が始まっていて、
これも読みやすいと評判です。

急がないなら、岩波か光文社がおすすめです。
ぜひぜひ、挑戦してみてください!
from. チフユ | 2013/12/11 22:03 |
BLOWに曲を応募しようと思うのですが、詩を作っていただけませんでしょうか・・

地道に気楽に気長に挑戦しようと思います。
100曲位書けば1曲位採用されるかもしれません・・

どうかよろしくお願いします。
from. shirori | 2013/12/17 00:25 |
shiroriちゃん
応募もなにも作曲大大大歓迎です。

問題は歌詞ですね。曲は最高なのに歌詞がサイテー、
なんていわれないようわたしもチャレンジしてみます。

来年に向けて「いとしのエディ」とか(笑)
冗談はともかく、楽しみです。
こちらこそ、どうぞよろしくお願いします♪
from. チフユ | 2013/12/17 09:12 |
チーどん、ご無沙汰。でもないような、そうでもないような。笑
モンテクリスト伯読み終えてしまいました。本との別れがさみしい。

次いってみよう♪戦争と平和ねっ。
from. ズカ | 2014/01/17 23:09 |
ズカちゃん
モンテクリスト伯、おもしろかったでしょ。
エドモン・ダンテスはヒーローの原点ですね。

「戦争と平和」つい先日読み終わりました。
はじめこそ手こずるかも知れませんが、
数人の主要登場人物のことがあたまに入れば、
あとはもう夢中になってやめられなくなります。
なが〜く楽しんでください!
from. チフユ | 2014/01/18 10:51 |
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